アストロノーカ
『アストロノーカ』(英題:Astronoka)は、1998年8月27日にエニックス(現・スクウェア・エニックス)より発売されたプレイステーション用育成シミュレーションゲーム。本作で作るのは町ではなく農作物である。
概要
主人公は、宇宙一の農家を 目指し宇宙の果ての小惑星に入植してきた宇宙農家(アストロノーカ)。ゲームの最終目的は「全宇宙野菜コンクール」で優勝することであり、そのために宇宙 野菜の育成、交配による品種改良、コンクールへの出品および野菜を食い荒らす害獣・バブーの退治を繰り返すこととなる。『コスモぐらし 〜オンライン的野菜生活〜』によれば、本作の時代設定は26世紀。
ゲームの遊び方やヒントなどは、ゲーム内の仮想ネットワーク「アストロネット」の電子掲示板や、頻繁に届く電子メールなどから入手できる。「種の交配」および「トラップに対応したバブーの進化」にはAIが用いられており、種やバブーはメモリーカードを介して他プレイヤーと交換することが可能(種の交換にはある条件を満たす必要がある)。2008年6月よりゲームアーカイブスで配信が開始された。
なお、『スターオーシャン セカンドストーリー』(1998年7月30日発売、品番:SLPM-86105)に本作の体験版が付属した。また本作には『いただきストリート ゴージャスキング』の体験版が付属する。
ストーリー
究極の野菜「アストロキング」を作るため、ニッカポッカ星系テンガロン地区のとある小惑星にやって来た主人公。畑を荒らしに来るバブーに負けず、今日も農業用ヘルパーロボットのピート君と農作業に励む。
市長になれるゲーム
システム
舞台となるニッカポッカ星系は23世紀に建設された人工太陽ニッカポッカと惑星・ソンブレロ、そして無数の小惑星からなる。宇宙農業発祥の地であ り、宇宙有数のハイレベルな農業エリアとなっている。1ヶ月は28日(7日×4週間)、6ヶ月で1年(つまり1年は168日)となる。また四季がある (春:1月、夏:2・3月、秋:4月、冬:5・6月)。通貨単位は「ゼニー(z)」。
コンクールは基本的に日曜日に開催される。当初はテンガロン村のコンクール(第3日曜日開催)しか参加できないが、実績を積むことによりパンタロン 町(第1・2日曜日開催)およびソンブレロ市(第4日曜日開催)のコンクールにも参加できるようになる。なお、「全宇宙野菜コンクール」は特別会場である アストロドームで開催される。
1つの畑には種を6つ蒔くことができる。畑は3つまで増設できるが、非常に固い地質のため、開墾は専用の機材を有する宇宙農協に依頼する必要がある。また、ピートは農業ロボット協会に、交配マシンはコールテン研究所に依頼してバージョンアップすることが可能。
宇宙野菜
宇宙野菜はA・B・C各科12種、合計36種類で構成される。A科は銀河辺境で、B科は太陽系周辺で、C科は外宇宙で改良された野菜である。地球上 の野菜をもとに作られたものが多いが、改良の結果見た目や味はオリジナルとはかなり変わったものとなった。それぞれの野菜は「大きさ」「重さ」など10種 類(基本6種、特殊4種)ある属性のうち、1もしくは2を有する。なお、一部の野菜は特定の季節にのみ栽培可能。野菜の成長は「成長中」「成熟」「完全成 熟」の各段階に分かれ、「成熟」状態で収穫が可能になり、「完全成熟」状態では野菜に加えて種を3つ収穫できる。成長速度は種類によって異なり、早いもの で3日、遅いものは14日かかる。
収穫もしくは購入により入手した種は交配に用いる。交配は任意の種を2つ掛け合わせて行う。交配の結果はランダムであり、片方の野菜に属性の引き継 ぎや変動をもたらす場合、新種の野菜へ変化する場合、失敗し種を失う場合に分かれる。属性は強化だけでなく、あえてマイナスの属性をつけることも可能。交 配前にピートの予測がコメントされるので、プレイヤーはそれを基に判断することになる。各属性の数値は交配するごとに変化し、100単位で数値が固定化さ れる(例えば、属性数値が+99から+100へ上がった野菜は以後+100より下にはならない)。数値の変動幅は-200〜+300だが、初期段階で手に 入る野菜種は-100〜+200となっている。属性の値が高いほど野菜としての価値が高くなり、当然売却価格も高くなる。なお、マイナスの属性が強化され た野菜もレア物として高値で取引される。
種には「強化種」「ゴールデン強化種」というものも存在する。「強化種」は野菜の属性値を1〜3つあげるもので、属性値を上げたい野菜と交配するだ けで簡単に数値があがる。ただし、これを使用すると「ピュア野菜」ではなくなるというデメリットがある。ある場所で高値で販売されているほか、一定条件を 満たした野菜を交配すると手に入ることがある。また「ゴールデン強化種」を用いると一代限りでゴールデン野菜となり、コンクールに出品した場合ボーナス点 が加算される。市販はされておらず、入手困難な種である。
- A科
- 穴ホウレン草
- ニラクラウン
- 透明キャベツ
- ウキウキパセリ
- カリフラボール
- 宇宙マメ
- ホタル唐辛子
- 真空ワカメ
- 月面コンブ
- チンゲンツリー
- 妖精ピーマン
- 水晶ハーブ
- B科
- シマイモ
- 星カブ
- 腰かけレンコン
- コスモニンジン
- タマネギボム
- イモ球
- ゴボウ玉
- 火星カボチャ
- トゲガーリック
- カブトタケノコ
- 冥王マツタケ
- 貴婦人
- C科
- トマトニアン
- 電灯キューリ
- 土星ナス
- ドームメロン
- ひよこレモン
- ロウソクコーン
- 砲丸ピーチ
- イチゴブドウ
- 光速パイン
- スイカタワー
- 銀河ドリアン
- アストロキング
バブー
宇宙野菜を狙い畑にやってくる害獣。全16種類。見た目は可愛いが、畑を荒らされると野菜が傷物となり、ひどい場合は枯れてしまう。複数匹で襲来する日もあれば、現れない日もある。また、なぜか祝日や日曜日には現れない。
バブーは畑の前に仕掛けたトラップで退治することが可能である。トラップはいずれも電力を消費するので(消費量はトラップの種類によって異なる)、 電力供給量の範囲内でトラップを選択し配置する。バブーを撃退すると「芸術点」が得られ、芸術点は野菜の育成状態に反映される。また、撃退時に「バブーの 羽」というアイテムが手に入ることがある。やってきたバブーは全て記録され、捕獲したバブーは観賞用に1匹だけストックしておくことができる。
バブーのAIには学習機能が搭載されており、同じトラップを多用するとそのトラップにかかりにくくなるよう進化する。また強力なトラップの多用は、 バブーの能力の飛躍的な向上に繋がる。このようなバブーとの奥の深い駆け引きも、本作の魅力の一つになっている。なお、進化したバブーは色や体型が変化する。
- バブバブー
- バブニー
- バブチャカ
- バブール
- バブロン
- バブボーン
- バブトット
- バブチル
- バブックス
- バブペリ
- バブティーナ
- バブモル
- バブロック
- バブーシカ
- バブープ
- バブトロン